5月7日(ブルームバーグ):
米ゴールドマン、新しい不動産ファンドで42億ドル集める
米ゴールドマン・サックス・グループ は不動産関連プロジェクトへの投融資を行うファンドの資金調達を完了し、42億ドル(約4270億円)を集めた。ゴールドマンの不動産クレジット・ファンドはこれで2本目。同社は金融危機後、不動産事業の重点分野を不動産購入から貸し出しにシフトしている。
ゴールドマンのマーチャント・バンク部門で不動産投資グループの共同責任者を務めるアラン・カバ氏によると、資金の内訳は機関投資家や富裕層の個人からの出資表明が18億ドル、借り入れが18億ドル、ゴールドマンの自己資金が6億ドル。出資を約束した投資家を地域別でみると、約6割が米国、その残りの大半を欧州が占め、アジアからは少額の投資にとどまった。
同社は低金利時代により高い利回りを稼ぐ手段の提供で、他の私募ファンドや住宅ローンに特化した不動産投資信託 (REIT)、銀行と競合している。マーケティング資料によると、今回のファンドは欧州と米国を対象とする計画で、同社初の不動産クレジット・ファンドから広げる。最初のファンドは約35億ドルの融資を実施した。
カバ氏は電話インタビューで、最初のファンドの対象は米国に限られたが、新しいファンドでは最終的に米国と欧州を「半々程度にしたいと考えている」と述べた。
マーケティング資料によれば、新ファンド「ブロード・ストリート・リアルエステート・クレジット・パートナーズII」は買収や借り換え、資本増強などの資金を提供するため、質の高い商業用不動産を担保にシニアローンやメザニンローンを実施する。南カリフォルニアのオフィスビル買収向けのメザニンローンなど、すでに5つの案件に約5億ドルの資金を出しているという。
原題:Goldman Closes Second Real Estate Credit Fund at $4.2Billion(抜粋)